かつてフルマラソン世界記録を生み出したアディゼロジャパンシリーズが大幅にモデルチェンジしたのでレビューしていきます!
アディゼロジャパンとは
サブ4をターゲットにしているアディダスの看板モデルの一つです。初代のアディゼロジャパンはシューズとしてのバランスの良さから人気のあったモデルで、当時大人気だったアシックスのターサーシリーズのライバル的な位置づけでした。
その後、アディダスが開発した「ブーストフォーム」(後述)がソールに使用されるようになってから、「アディゼロジャパンブースト」という名前に変わるとともに、クッション性と反発性の高さから一般の市民ランナーにも一気に広がりました。
そして、ブーストフォームが標準装備となったためか4代目からはブーストという表記がなくなり、「アディゼロジャパン」となりました。今回紹介するシューズはその5代目のモデルです。
アディゼロジャパンの特徴
アディゼロジャパンには「ブーストフォーム」という独自の素材がソール全体に搭載されています。軽くてクッション性&反発性を両立した素材と説明されていますが、最近ではどのメーカーも「クッション性と反発性の両立」をうたった素材を開発しています。
ブーストフォームはグニュッと沈んでボヨーンと跳ねるのが特徴で、スピードに応じてブーストフォームの硬さや反発性が変化します。これにより、キロ6~4分のどのペースでもクッション性と反発のバランスが良く、ペースに合わせてシューズが反発するタイミングがバッチリハマってくれます。
普通、シューズの適正からかけ離れたスピードで走ると、そのシューズが持つ反発性やクッション性が邪魔になることがあります。フルマラソン終盤でペースが落ちた時にシューズの反発力がダメージに変わったり、反対にペースを上げようとしてもクッションが邪魔して必要以上に蹴る必要があったりと…
しかし、アディゼロジャパンなら速いペースではバンバン反発してくれて、遅いペースでは反発が適度に収まって、代わりにクッション性が増してくれます!スピード練習からジョグまでこなせる万能シューズです!
レビュー
アッパーの特徴、変更点
シュータンが布からソックスタイプの弾力のある素材になりました。また、足の甲を覆うようにタンが靴底からつながっていて、甲が面で押さえられてフィットする感じになりました。サイズ感は前作と同じでした。

シューズの内部
アッパー自体も普通のメッシュと補強の組み合わせから「セラーメッシュ」という一枚の素材に変わり、質感が布からプラスチックっぽくなりました。雨の中でも水を吸わなさそうです。
ソールの特徴、変更点
新素材「ライトストライク」を搭載
前作と同じくブーストフォームが搭載されていますが、前足部には新素材の「ライトストライク」という、従来のEVAフォームよりも40%軽く反発も両立した素材が搭載されています。前作まではブーストフォーム特有のグニュッと沈む感覚がありましたが、こちらはグニュグニュ感が減って接地時のダイレクト感と安定感が上がりました。
また、川の字だったシャンクが太い一本の樹脂製プレートになり、これも安定性に効いていると思います。

上がアディゼロジャパン5、下が従来モデル
屈曲点は従来と同じで前足部全体で曲がるのでフォアフットと相性が良いのですが、ブーストフォームのおかげでミッドフット、ヒール接地でも足抜けが良いです。
ドロップの変更
ドロップ(つま先と踵の高さの差)が約8㎜から9.5㎜になり、踵が高くなりました。たった約2㎜の差でも前傾が強くなるのと、踵が接地するタイミングが速くなりスピードが出やすいです。デメリットとしては、自分で走ってる感が減り素足感がなくなりました。ただし、リラックスして走っても前傾しやすく自然に前に進めるので性能としては上がっています。感覚が嫌いでなければメリットの方が大きいです。

踵が少し高くなりました
重さ
気になる重さは224g(27.0cm)とサブ4向けのシューズとしては十分に軽いです。従来モデルとほとんど重さは変わりません。反発性のバランスがいいので、実際の重さよりも軽く感じます。
実際に走ってみた
キロ6分~3分30秒のペースでそれぞれ走ってみました。なお、筆者の走力はフルで3時間一桁、ピッチ180~190でミッド~フォア接地です。体格は身長低め、平均的な体重です。
キロ6分~5分半
ブーストフォームのクッションがしっかり足を守ってくれます。
ブーストフォームの反発が主張し過ぎず、重さも220g台と軽いので、キロ6分以内でも淡々と楽に走れます。ウルトラマラソンでサブ10を狙う方にもオススメです。キロ6分より遅いペースで走る方には、更にクッション性の高いアディゼロボストンの方をオススメします。
キロ5分半~4分半
ブーストフォームが余分な衝撃を抑えてくれながら、スピードを上げるほど反発が増して足の動きに追従してくれます。
前足部にライトストライク、踵にブーストフォームが入っているので前足部で走るとダイレクトに力が伝わりスピードを出しやすく踵でしっかり踏み込むとクッションが良く効いてくれます。驚くべきことに、このペースならフォアフット、ミッドフット、ヒールストライクのどの走り方でもシューズが足に合わせてクッショニング・反発してくれます。走り手を選ばずとてもバランスが良いです!
キロ4分半以内
前足部がライトストライクになったおかげでグニュグニュ感が減りダイレクトに力を伝え易くなりました。これにより、従来モデルよりも速いスピード域で走りやすかったです。一方、踵は厚めのブーストフォームのままなのでキロ3分半までいくと踵で踏み込む走り方だとキブーストフォームがグニュッと沈み込み反発が遅れて、キック力が伝わり難い印象でした。
ターサージールと比べると、キロ3分台ではターサーの方がスピードを出しやすいですが、キロ4分までならクッション性のあるアディゼロジャパンの方が楽にペースを維持できました。
まとめ
ここが◎
- ソール素材変更により、安定性UP、前足部でスピードが出しやすくなった。
- キロ6~4分のどのスピードでもクッション性、反発性のバランスが良い。
- クッション性と反発性のバランスが良いため、ハーフ以上の距離のレースで特にオススメ
ここが△
- ドロップが大きくなり(踵が高くなり)、素足感が減った。
- 踵で踏み込むとソールがまだ沈み込みやすい。(ただしキロ3分台からしか気にならない)
お得な買い方
アディダスのシューズ全般ですが、新カラー、新モデルが発売されると旧モデルが半額近くまで値下げされます。特に楽天市場では定期的にポイント20倍キャンペーンを開催しているので、このタイミングに合わせると更にお得です!
それでは良いランニングライフを!
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