こんにちは。2024年11月にアディダスより「アディゼロジャパン9」(Adizero japan 9)が発売されました。筆者は初代からずっと履き続けている一番思い入れのあるモデルです。今作も履いてみましたのでレビューします。
「アディゼロジャパン9」の特徴
ターゲットはサブ4以上
公式ではサブ4以上のランナーの練習用、サブ3以上のランナーのレース用として紹介されています。
薄めのミッドソールが代々継承され「接地感と軽量性」の高いスピードモデルです。昨今トラック競技用とマラソン用でシューズが「厚底」と「薄底」に二極化する中、その中間の厚みという絶妙なカテゴリーに位置しています。
スペック・前作との違い
スペックは以下の通りです。
- ソール厚みは最大27mm(前作は28mm)
- 高反発素材「Lightstrike Pro」をフルレングスで搭載(前作は前足部のみ)
- 重量は177gに軽量化(27.0cm、前作は215g)
- 中足部にプレート「Dogbone」搭載(前作まではシャンク)
- アッパーは「ストレッチメッシュアッパー」(前作は通常のメッシュ)
- ラバーは「Light traction」がメイン(前作は「コンチネンタルラバー」がメイン)
- 定価は17,600円(前作は16,500円)
一番のアップデートとして、ミッドソールが全て「Lightstrike Pro」になり超軽量(177g)になりました。「Lightstrike Pro」はエリートモデル「Adios Pro 4」にも使用されている高反発素材です。前作(アディゼロジャパン8)は踵部が安定性を重視した「Lightstrike 2.0」であったため、シューズ全体の反発性は向上していると言えます。
また、足裏のシャンクが廃止され代わりにプレート状の「Dogbone」が搭載されました。どちらも屈曲性を調整するために入れられていますが、「Dogbone」はソール内部に入っています。
サイズ感・履き心地
サイズはややタイト
歴代モデルと同様にやや細身ですが、アッパーのフィット感が高いためか僅かに小さめに感じました。足幅が広く普段から2サイズで迷う場合は大きめをオススメします。
アッパーは吸い付く独特のフィット感
新素材の「ストレッチメッシュアッパー」は「Adios Pro4」にも使用されていて、伸びないのに柔らかく吸い付く独特のフィット感です。フィット感が抜群でスピードを出してもブレを感じず、長時間履いても局所的な圧迫感も感じませんでした。
前作よりもヒールカウンターとシュータンが肉厚になりフィット感、ホールド感が良好です。前作の薄いヒールカウンターが苦手だったランナーには朗報かもしれません。
唯一、アッパーの通気性、排水性は低めで夏場はシューズ内が蒸れて汗が溜まりました。反対に冬は足先が冷えにくいと考えます。
走行感
前作より柔らかくサポートは少なめ
ミッドソールの「Lightstrike Pro」とアウトソールの「LIGHTTRAXION」により前作よりもクッション性が高いです。
また、前作まではシャンクが地面に当たる接地面の硬さと足裏のプロテクションがありましたが、「アディゼロジャパン9」は接地面全体が柔らかく屈曲します。自然な接地感が得られる一方で、シャンクによる足裏のサポートが少ないと感じました。
ショップの説明動画などでも言われている通り、前作(ジャパン8)の方がスパイクに近い感覚でした。反対に「アディゼロジャパン9」は昨今のマラソンシューズと親和性が高い走行感かつ薄底に近い接地感が両立されていてマラソン向けになったと感じました。
踵の接地面積が少なめ
踵の先端がカットされていて、踵から接地すると少し不安定さを感じます。
それでもソールは比較的薄いため沈み込みは最小限で十分な安定感です。
タイムを目指す全ランナーにオススメ
超軽量ながら過度な助力が無いため走力やスピード帯を問わず使いやすいです。キロ3分を切る流しからキロ7分のLSDペースまで不快感なく走れました。
但し、昨今は扱いやすくサポートもあるレーシングシューズも多いため、レース用としては厚底ハイエンドモデルの方が有利と考えます。練習用としては、インプットによる地面からの反応を感じやすいため走る感覚を養うのに最適なシューズだと考えます。
まとめ
- 全面「Lightstrike Pro」になりクッション性・反発弾性が向上
- 重量が177gと超軽量
- サイズ感はやや小さめでフィット感が高い
- クッション性と接地感が高いが足裏の保護は少なめ
- 万能だがレースよりも練習向け
アディゼロジャパンらしさを残しつつ昨今のシューズのトレンドにもマッチした設計に感じました。地脚を鍛えながら目標に向かって頑張って行きましょう!
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