〈レビュー〉弾むではなく進む!未だ40mmルールに反逆する「ウェーブリベリオンプロロー」

ランニング

こんにちは。イベントでミズノ「ウェーブリベリオンプロLOW」を履いて試走する機会があったため感想をまとめます。

「ウェーブリベリオンプロLOW」の特徴

サブ2.5~3向けレーシングモデル

公式では「ウェーブリベリオンプロLOW」はサブ2.5~3ランナー向けのレーシングモデルとされています。今季三代目となる「ウェーブリベリオンプロ3」の派生モデルでソールの厚みと傾斜がフラット寄りに変更されています。

リベリオンプロ3同様にWA規定(厚み40mm以下)に適合しており公認大会で着用可能となっています。厳密にいうと最大厚みは50mm近くありますが、WA規定の測定箇所(踵部から12%,75%の位置)において40mm以下となっており文言上適合しています。

スペック

スペック、リベリオンプロ3との違いを以下にまとめます。

  • ソール厚み(WA規格上)は35.5-40.0mm(プロ3は35.5-39.5mm)
  • ドロップ4.5mm(プロ3は4mm)
  • 高反発新素材「MIZUNO ENERZY XP」を全面搭載(プロ3と同じ)
  • ヒールレスの「SMOOTH SPEED ASSIST」を搭載(プロ3よりもフラット)
  • カーボン配合ナイロンプレートを搭載(プロ3と同じ)
  • アウトソールはイボ状の「G3アウトソール」(プロ3と同じ)
  • プロ3よりもフラット接地面を37%増量
  • 重量は215g(27.0cm,プロ3は225g)
  • 定価は29,700円(型落ちカラーはセール中)

一番の特徴はなんといっても踵部がカットされた「SMOOTH SPEED ASSIST」(SSA)構造です。公式によるとSSAによりアキレス腱の伸長が減り、フォアフット接地への誘導とアキレス腱の負担を減らす効果が期待されます。中でも「リベリオンプロLOW」はSSAが比較的フラットで汎用的な履き心地となっています。

出典:Step sports online.com

ミッドソール素材について、「リベリオンプロ2」では2層構造でしたが今作から反発性が向上した「MIZUNO ENERZY XP」がフルレングスで搭載されました。

  

サイズ感・履き心地

サイズ感は標準的

縦のサイズ感は標準的でした。ミズノのシューズは横幅が広い印象でしたがリベリオンシリーズは横幅が標準的(ミズノにしては狭め)でした。

筆者は足幅が狭めでこれまでのミズノシューズはフィットしませんでしたが今季モデルは全体的にフィット感が良好でした。また、同時に試走させてもらった「ウェーブリベリオンフラッシュ3」と同じサイズ、「ネオゼン」より一回り小さく感じました。

アッパーは硬めでホールド感が良好

アッパーは薄手で伸縮性が低い硬めの素材です。ミッドソールが極厚ですがそれに負けないホールド感で横ブレやもたつきは一切感じませんでした。シュータンも適度な硬さで局所的な圧迫感も感じなかったです。

アキレス腱が当たる

踵部にはヒールパッドがついていて踵が抜ける感覚はありませんでしたが、ヒールカラーの末端が固く内側を向いていてアキレス腱が擦れると感じました。

少し重たくなっても良いからヒールカラーの素材を見直してもらえるとありがたいです。

グリップが最高クラス

アウトソールはミズノが古くから採用しているイボ状の「G3ソール」です。今では絶滅危惧種となっていますが路面に噛みつくグリップ力はトップクラスでした。よく見ると突起意外の部分にもアウトソールが施されていて面でのグリップも良好でした。また、性能に関係ありませんがG3ソールが地面に当たる足音はスピード感があり気持ち良かったです。

「G3ソール」は硬く、ラバーというよりも樹脂に近い触り心地です。耐久性は悪くなさそうです。

走行感

安定性とサポートが良好!

初代リベリオンプロは走り方が合わずすぐ手放してしまいましたが、「リベリオンプロLOW」は癖が無く履き慣らしがスムーズでした。

比較的フラットな設計により意外にもミッドソールの沈み込みは少なめで、極厚ミッドソールに対して安定性、操作性がとても良好でした。短い距離やアップダウンの多いコースだと「リベリオンプロ3」よりもタイムが出そうです。

また、重心が下がったり踵に乗りそうになると踵の手前から重心が下から支えられるサポート感があり腰高を維持しやすかったです。「リベリオンプロLOW」においてSSAは推進力よりも腰高サポートとして機能しているように感じました。

感触が良かったためそのままレース(1.5kmリレー3本)に使用しましたが、最後の本数まで4:55切(キロ3:16)をキープできました。筆者には調子が良くないと出せないタイムだったのでシューズの恩恵を十分に感じられました。

反発よりも推進力が高い

ミッドソール「MIZUNO ENERZY XP」は従来よりも反発性が高く、どこで踏んでも十分な反発を得やすかったです。それでも競合エリートモデルと比べるとオートマチックな反発性は控えめでサブ40クラスのランナーには少し物足りなく感じるかもしれません。

一方で反発が縦ではなく前に弾む感覚で推進力を得やすかったです。推進力が高いシューズだと上体が置いて行かれそうになることがありますが、重心が下がった時にSSAに乗ると反発が上を向いて重心を持ち上げてくれる感覚があり、反発の方向をコントロールしやすく攻守に優れていると感じました。

サブ3.5〜2.5狙い、腰が落ちやすいランナーにオススメ

筆者の感覚ではサブ3.5(キロ4分台)以上のペース帯で走りやすかったです。

キロ5分半より遅いペースだと踵の接地面の少なさが目立ち、SSAがメリットに感じられるのはキロ5分より速いペースと感じました。公式のターゲット通りに真価を発揮するのはキロ3台と感じましたが、競合モデルに比べて勝手にペースが上がり過ぎ難く扱いやすいためサブ3.5~2.5狙いまで広く使いやすいと考えます。

また、特徴であるSSAはスピードアップよりも腰高サポートとして働いてくれるため、自分でスピードを出せるけど途中で腰が落ちて失速してしまうランナーにオススメしたいです。

同ブランド「リベリオンフラッシュ」にかなり近い履き心地のため、サブ3.5狙いなら「リベリオンフラッシュ3」がオススメですが、軽量性と推進力に特化したい場合は「リベリオンプロロー」も履く価値はあると考えます。

まとめ

  • 「リベリオンプロ」よりフラットで癖がなく扱いやすい
  • 腰高サポートのあるレーシングシューズ
  • グリップが非常に高い
  • 反発よりも推進力を出しやすい
  • 踵のアキレス腱の擦れに注意

暫くミズノシューズに良い出会いがなく避けていましたが、今季はモデル全体が大きく進化しているのを感じられました。選択肢が増えて悩ましいですが、自分に合ったシューズを見つけて目標に向けて頑張っていきましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました