こんにちは。昨今、陸連規格(ソール厚み40mm以下)を超えた厚底シューズが数多く登場してきました。今回、ナイキの人気厚底シューズ「ズームフライ6」もトレンドに乗って厚底化されアップデートされたため、実際に履いた感想をまとめました。
「ズームフライ6」の特徴
スペック
スペックと前作との違いは下記のとおりです。
- ソール厚みは最大42mm(前作は39mm)
- フルレングスのカーボンプレートを搭載(前作同様)
- 高反発素材「ZoomX」を使用した2層構造(前作同様)
- 重量は約265g/28.0cmに軽量化(前作は314g)
- ドロップは8mm(前作は10mm)
- 定価は18,700円(前作は19,800円)
スペック上の一番のアップデートとして軽量かつ厚底になりました。また、前作同様にカーボンプレート「FlyPlate」と高反発素材「ZoomX」がフルレングスで搭載されているハイエンドモデルです。
「ヴェイパーフライ」をベースに設計
ズームフライシリーズは人気エリートモデル「ヴェイパーフライ」をベースに設計されており、プレートやミッドソールのベース素材は「ヴェイパーフライ」と同様のものとなっています。 特にズームフライはカーボンプレートの前足部がスプーン状になっているのが特徴で、ライド感と推進力を得やすい設計となっています。
履き心地・サイズ感
サイズ感は前作と同じ
前作やエアズームペガサスと同じサイズで問題なかったです。 アシックスやミズノに比べると横幅がやや狭め(E相当)の作りですが、ナイキにしては幅広な印象です。
サポートと軽量性のバランスが良好
2層構造のメッシュアッパーは中厚の非伸縮素材でサポート感と軽量性のバランスが良好です。
踵部のクッションは前作よりも肉厚で、足当たりとホールド感に問題はなかったです。足首周りのホールド感も良好でした。
走行感
マジックスピードのフォアフット特化版!?
前作は安定感が目立ちましたが、ズームフライ6は軽量さも相まって推進力が強くスピードを上げやすかったです。
前作はソールを使って面で弾む印象でしたが、ズームフライ6は前足部で推進力を得やすかったです。また、中足部の肉抜きと踵部接地面の縮小により前足部に重心移動しやすかったです。反対にミッドフットやヒールフットではある程度スピードに乗らないと推進力は得にくくなったと感じました。
一方で、ソールで弾んでも転がしてもスピードを上げやすくピッチ・ストライド走法を選ばなくなったと感じました。感覚はマジックスピードに近く「マジックスピードのフォアフット特化版」という印象で、フォアフットでの推進力はマジックスピード以上に感じました。
安定性は僅かに犠牲に
前作よりもミッドソールが柔らかく沈み込みが大きめと感じました。
また、前作はソールが踵の外側まで張り出していましたが、ズームフライ6では外側がカットされていて接地面積が少なく踵部が横ブレしやすいと感じました。また、中足部も肉抜きされたことで接地面が減り全体的な安定性は低下したと感じました。
前作は初心者でも履きやすい設計でしたが、ズームフライ6はある程度フォームと走力が備わったランナーにオススメしたいです。
サブ4〜3.10ランナーの本命レース用にオススメ
前作よりも推進力に特化して適正なペース帯が高くなったと感じました。実際に走った感想として、キロ5分前半〜4分(特に4分後半)のペースで推進力を得やすく安定性も気にならずとても走りやすかったです。
キロ6分付近ペースではソールの反発を感じにくく沈み込みが目立ったため、ジョギングペースでは少し扱いにくいと考えます。キロ4分台ペースではスピード練習でもロング走でも距離を選ばず走りやすかったです。ヴェイパーフライでは後半不安を感じるランナーにはベストフィットと考えます。
総じて、サブ4確実〜3:10のランナーにオススメです。競合と比べると、安定感・汎用性重視ならマジックスピード、推進力重視ならズームフライ6がオススメです。
まとめ
- 厚底化と軽量化によりスピードアップ
- 接地面が減り安定性はやや低下
- マジックスピードのフォアフット特化版
- サブ4確実以上のランナーにオススメ
「これぞズームフライ」と言えるくらい実用的な範疇で尖り直してくれて歴代で一番好きです。尖ったシューズも乗りこなせるようにランナーも尖って行きましょう!
コメント