こんにちは。2023年6月よりアディダスから「アディゼロボストン12」が発売されました。今作からミッドソールが大幅にアップデートされましたのでレビュー致します。
「アディゼロボストン12」の特徴
スペック
ボストン12のスペック、前作(ボストン11)との違いは以下の通りです。
- ソール厚みは39.5mm(踵部, 前作とほぼ同様)
- ミッドソールは2層構造、新素材「ライトストライク2.0」を搭載
- アウトソールはグリップに定評のある「コンチネンタルラバー」(前作同様)
- 重量は270g(27.0cm,前作と同じ)
- フルレングスの「エナジーロッド」を搭載
新素材のミッドソールを使用
ミッドソールは前作と同様に高反発素材「ライトストライクプロ」と安定性の高い「ライトストライク」の2層構造となっています。
ただし、「ライトストライク」は今作から「ライトストライク2.0」になり柔らかく高弾性になりました。「ライトストライクプロ」単体の「アディオスプロ」よりも安定性と耐久性が高いと言えます。
ターゲットはサブ3.5~4
公式ではマラソンでサブ3.5~4向けとされています。
ハイエンドモデルである「アディオスプロ」をベースとしている一方で、サポート機能が施されていて幅広いペースで扱いやすい設計となっています。
厚底+エナジーロッドの長距離仕様
ボストン12のソール厚みは31-39.5mm(前足部-踵部)もある、いわゆる厚底シューズです。ソールのクッション性、反発性を最大限に活かすことができ、フルマラソンのような長い距離の巡航に向いています。
また、ミッドソール内に5本のエナジーロッドがフルレングスで搭載されており、反発性と安定性を高め重心移動をアシストする効果があります。ロッドが1本1本が独立していることで一枚のプレートに比べて接地感がナチュラルで突き上げ感が少ない特徴があります。
サイズ感・履き心地
サイズ感はやや縦長
前作と同じサイズで問題無かったですが、他ブランドに比べて僅かに縦長に感じました。2サイズで迷う場合はワンサイズ小さくても問題無いと考えます。
アディダスにしては横幅が広め(アシックス相当)です。ワイドモデルもあるため足幅に応じてサイズを選ぶことができます。
アッパーは非伸縮性ながらも柔らかい
「エンジニアードメッシュ」のアッパーは薄く軽量感があります。前作よりも柔らかいと感じる一方で、非伸縮性でタイトなフィット感です。前作と同様に追従性の高いレーシング寄りの履き心地です。
踵部には滑り止めのクッションが付いていてホールド感は十分だと感じました。
走行感
前作よりクッション性・操作性が高い
ミッドソールが「ライトストライク2.0」になったことで前作よりシューズ全体が柔らかくなりクッション性が高くなったと感じました。それでも競合モデル(ズームフライ5、マジックスピード3)よりも剛直で接地感が高いです。
また、エナジーロッドがフルレングスになったためか前後左右の屈曲性が上がりました。前作までは足裏が硬く固定されている感覚でしたが、ボストン12は自然な剛性で左右の動きを出しやすくなりました。
推進力は十分で足抜け・サポートが良好
バウンド感は前作よりも高く十分な反発性ですが、競合モデル(ズームフライ5、マジックスピード3)に比べるとオートマチックな推進力は僅かに控えめに感じました。
一方で、踵部がしっかりしていて重心が落ちにくくソールの反応も速いため、ペース維持は競合モデルよりも有利と考えます。
サブ4.5〜3狙いにオススメ
クッション性と操作性が上がったことで、前作よりも幅広いペース(特に速い側)で走りやすくなったと感じました。
ペースが上がるにつれて反発性が高まり、キロ5分~4分半で最もクッション性と反発性を感じてペース維持が楽でした。キロ4分付近から重さが気になりましたが、サブ3ペースでも使えるスペックだと感じました。一方で、ソールが柔らかくなったことでキロ6分前後のペースでも扱いやすかったです。
総じてサブ4.5~3狙い(キロ6分〜4分)のランナーにオススメです。厚底で脚持ちが良いためハーフマラソン以上の距離で進化を発揮すると考えます。
まとめ
- 「ライトストライク2.0」により反発感が向上
- ソールが柔らかくなりクッション性、操作性が向上
- 反応の速さ、安定感が競合モデルでトップクラス
- 厚底特有の沈み込みが苦手なランナーにオススメ
- サブ4.5~3狙いにオススメ
シューズに負けないようにランナー側も進化していきたいものです。タイム更新に向けて頑張りましょう。
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