<レビュー>Pebax配合で高反発化!厚底への順応が求められる「Fuelcell rebel v4」

ランニング

こんにちは。2024年3月よりニューバランスから「Fuelcell rebel v4」が発売されました。筆者は初代から愛用しており今作も早速履いてみたので感想をまとめました。

「Fuelcell rebel v4」の特徴

テンポアップ向けのスピードモデル

ニューバランスの中で「Fuelcell」シリーズはスピードモデルの位置づけとなっています。 中でも「Fuelcell rebel v4」は軽量性と反発性を重視した設計でテンポアップ(速めのジョギングから高強度ペース)に適したモデルです。

公式では明文されていませんが、サブ4~サブ3.5向けとして紹介されることが多いです。

クッション性と軽量性が最高クラス

「Fuelcell rebel v4」にはクッション性・反発性の高い「Fuelcellフォーム」がフルレングスで使用されています。また、軽量なラバーやアッパーを使用することで軽量性も両立されているのが特徴です。

「Fuelcellフォーム」は他ブランドのソール素材に比べて柔らかく、ソール由来のクッション感とバウンド感は業界トップクラスだと感じています。一方で沈み込みが苦手な人とは相性がはっきりと分かれるかもしれません。

スペック・前作との違い

スペック、前作との違いは下記の通りです。

<レビュー>最高峰のクッション!厚底入門にオススメな「Fuellcell rebel v3」
こんにちは。2022年11月よりニューバランスから「Fuelcell rebel v3」が発売されました。筆者は初代から愛用しており今作も早速履いてみました。 「Fuelcell rebel v3」の特徴 テンポアップ向け、ターゲットはサブ...
  • ソールが厚くなり反発弾性向上(踵部27.5→30.0mm)
  • ミッドソールに高反発素材「Pebax」を20%配合し反発性向上
  • アッパーはエンジニアードメッシュとガゼットタンでホールド感良好
  • 重量は約10g増加(220g, 26.5cm)
  • カーボンプレートは非搭載(前作同様)

中でも一番の変更点は「ミッドソールの厚底化Pebaxの配合」です。ソールが厚くなり、更に高反発素材で有名なPebaxを配合したことでソール由来のバウンド感が更に向上しました。ソールが厚くなると不安定になりがちですが、ソールの接地面積が広がっていて安定性の両立も図られています。

嗜好もありますが、デザインもカッコいいです!

サイズ感・履き心地

前作より僅かに大きめ

サイズは前作に比べて僅かに大きめに感じました。具体的には前足部のボリュームが大きく縦にも横にもゆとりを感じました。

前足部が広くなった分、足幅の細い筆者には前足部が余ってシューズ内で指先が遊ぶように感じてしまいましたが、足幅が標準〜広い人にはフィット感が良くなったと考えます。

そのため、足幅が標準〜幅広の人普段と同じサイズ、普段から2サイズで迷う場合はワンサイズ小さめがオススメです。

筆者は前作(Fuelcell rebel 3)、ズームフライ5は26.5cm、それ以外は26.0cmで履いています。Fuelcell revel v4は26.5cm(D)を選びましたが26.0cmでも良かったかなと思っています。

中足部と踵ホールド感が良好

エンジニアードメッシュアッパーは前作同様に適度な厚さと伸縮性で十分なフィット感でした。

シュータンには前作同様にガゼットタン(中足部を覆うような形状)が採用されています。また、中足部の広範囲が補強されていて前作に比べて中足部のホールド感が高いです。また、踵部が立体的なヒールカップ状になり踵部のホールド感も高くなったと感じました。

総じて、「前作よりも高いホールド感で履き心地がアシックスっぽくなった」と感じました。

          

シュータンが短く不安

気になった点として、シュータンの長さが最低限で靴紐を一番上のシューホールまで通すと靴紐がシュータンの先端まで達してしまいました。

シュータン自体は程よい厚さで食い込み感はなく走りに問題はありませんでしたが、靴紐を締める前に毎度シュータンを引張り上げる作業が面倒です。

走行感

従来の「Fuelcell」とは別物の反発性・クッション性

ソールの厚底化とPebax配合により、前作までの「Fuelcellフォーム」とは別物の反発性・クッショニングでレーシング寄りになりました。

前作よりも硬めの弾性を感じ、「脚を守ってくれる柔らかいクッショニング」というよりも、ペースを上げた際の衝撃を反発に変えてくれる」攻めのバウンド感が目立ちました。

そのため、良くも悪くも「Fuelcell」らしいフカフカした沈み込み・クッショニングが少なくなったと感じました。

 

競合モデルに比べるとロッカーが緩く、オートマチックな推進力・ライド感は控えめですが、上方向の反発力・エナジーリターンは前作や競合モデルよりも高いと感じました。

ロッカーは比較的緩めです。

ミッドフットがオススメ?

前作までは走り方を問わず扱いやすい印象でしたが、「Fuelcell rebel v4」は少し癖があると感じました。

走り出しの第一印象は悪く、思ったよりも進まないと感じましたが、試行錯誤してシューズに合ったポイントを見つけられると楽に進み続けてくれる印象に変わりました。

筆者の場合、自力で走るよりもシューズにまかせる方が楽にスピードを出せて、ミッドフットで上から真っ直ぐソールを潰すように乗り込むと反発と重心移動が楽にアシストされるように感じました。

反対に、ヒールフットでは沈み込みが目立ち、フォアフットでは特段強い推進力は感じなかったです。また、脚離れがゆったりとしているため、ピッチを上げるよりもソールの反発を使ってストライドを伸ばす方が走りやすかったです。

総じて、厚底に抵抗がないミッドフット標準〜ストライド走法のランナーにオススメです。

グリップと安定性も良好

前作まではラバーとミッドソールが同じ高さで、ミッドソールも地面に当たって滑る、削れることがありましたが、「Fuelcell rebel v4」ではラバーに高さがあり、前後左右ともにグリップ性能は十分でした。耐久性も高そうな予感がします。

接地面積が広がりソールの沈み込みも少なくなったため、厚底シューズとしては安定性は十分に感じました。特に拇指球〜中足部にかけて接地面がフラットで安定性が高いです。

拇指球〜中足部にかけて接地面が広いです。

練習用なら万人向け、レース用ならサブ4以上にオススメ

快適性・サポート機能よりも走行性を重視したモデルのため、スロージョグよりもテンポランなどのトレーニング用途にオススメです。

「Fuelcell」特有の沈み込みが減り安定性が上がったため練習用としてはペース帯は選ばないと考えます。むしろ昨今の厚底シューズに順応する意味ではソールを真っ直ぐ潰す感覚を養うのにオススメしたいです。

一方で前作よりもペース帯が上がった印象で、レース用ならサブ4確実(キロ5分前半)〜サブ3付近(キロ4分半)に合いそうです。キロ6分付近になると反発を貰い難く感じ、ロッカーの効いた競合モデルの方が楽に進めると感じ、キロ4分〜3分台では多少もたつきを感じたため「Fuelcell SC Elite」の方がペース維持が楽かと思います。

競合モデルの「マジックスピード」や「ズームフライ」の方が万人受けで推進力を感じやすいと考えますが、「Fuelcell rebel v4」は一定ペースでの巡航性能が高いため、後半の脚持ちを重視するランナーにオススメしたいです。

まとめ

  • 前作よりソールが厚底化、高反発化したが、沈み込みが軽減
  • ミッドフット、ストライド走法、跳ねたいランナーにオススメ
  • 前足部が広めで踵周りはホールド感良好
  • サブ4~3狙いのレース用、練習用にオススメ
  • レース後半の脚持ち重視するランナーにオススメ

コメント

  1. 体重少し重めなランナー より:

    コメント失礼します。以前、サブ4本番用のシューズとして、フューエルセルSCトレーナーとエリートの択一のご意見を頂いた者です。ご意見ありがとうございました。

    今年2月のレースにトレーナーv2を使用し挑戦しましたが、4時間10分程で残念ながら届きませんでした。確かに後半にシューズのサポート感は感じられましたが、シューズ自体の重さが少し気になりました。
    3月末にもう1レースあり、サブ4は難しいとは考えてますが、出来る限りは狙っていきたいと思います。

    そこで、また、ご意見を頂戴したいと思いコメント書き込ませて頂きました。
    今回、レベルの新作を試されたようですが、サイト主様的には、サブ4(もしくは僅かに届かないレベル)で望むなら、レベル新作とトレーナーはどちらがお勧めでしょうか?
    完全に主観で結構でございますので、ご教示頂けないでしょうか。
    どうぞ、よろしくお願いいたします。

    • ちょこざい ちょこざい より:

      コメントありがとうございます。あと10分惜しかったですね😭
      結論からレベルv4はアリかと思います。
      大雑把に言うとレベルv4はSCトレーナーからプレートとサポート機能を引っこ抜いて軽量化したモデルとなるため、スピードアップのメリットと終盤のサポート(失速するまでの時間、失速の幅)低下のデメリットとの天秤になると思います。
      そこで、質問者様がシューズの重さを感じられたことから、率直に軽量で高反発になったレベルv4を履くことで巡航スピードを上げられて、終盤までにタイムを貯金を稼げると考えます。
      それでも終盤の失速の幅が大きくなる、または失速するタイミングが速くなってトータルでタイムが伸びない(何を履いても大きく失速する)場合は、長距離耐性が課題になるかと思います。
      そのため、自身の特性と今後の伸びしろを見出す意味でもタイプの異なるレベルv4を履いてみる価値はあると考えます。

      素朴な意見で恐縮ですがご参考ください。
      次シーズンも含めてサブ4頑張ってください!応援しています😆

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