こんにちは。2024年7月よりアシックスから「マジックスピード4」が発売されました。筆者は初代から履いていましたが今作も楽しみで早速履いてみましたので感想を以下にまとめました。
「マジックスピード4」の特徴
ターゲットはサブ4〜3
「マジックスピード4」は昨今主流の厚底ソールとカーボンプレートを搭載した長距離走向けのスピードモデルです。フルマラソンサブ4~3がターゲットとされています。競合モデルとして、ズームフライ(ナイキ)やアディゼロボストン(アディダス)と比較されることが多いです。
スペック・前作との違い
- カーボンプレート搭載(前作同様)
- 前足部に高反発素材「FF Turbo」を搭載(前作はFF Blast+単独)
- ソール厚みは最大43.5mm(前作から約7mm増加)
- ドロップは8mm(前作は7mm)
- 重量は245g(27.0cm, 前作は225g)
- アッパーはエンジニアードメッシュ(前作はモーションラップ)
- 定価は18,700円(前作は16,500円)
一番の変更点として、ソール厚みが陸連規格40mmを超えた43.5mm(レディースは42.5mm)に厚底化しました。更に、エリートモデルにも使用されている高反発素材「FF Turbo」が前足部に搭載され高反発弾性の設計になりました。デメリットとして重量が約20g増加しましたが前々作(マジックスピード2)と同程度に収まっています。
サイズ感・履き心地
サイズは標準的、僅かに広い
サイズ感は標準的で前作より極僅かに大きめ(マジックスピード2相当)に感じました。また、アッパーの伸縮性が上がったためか甲周りが僅かに広め(アシックス他モデルと同様)でした。
そのため、普段から2サイズで迷う場合は小さい側でも問題ないと考えます。典型的な幅広のランナーはワイドモデルも選択できます。
レーシー過ぎない適度なフィット感
前作は非伸縮性で硬いモーションラップ(S4にも使用)が使用されていましたが、今作はエンジニアードメッシュ(マジックスピード2にも使用)に戻され、適度な伸縮性で柔らかいフィット感になりました。
好みが分かれますが、前作よりもクッション感・フィット感が向上し追従性がマイルドになったと感じました。
踵のホールド感が良好
歴代同様に重厚なヒールカップが搭載されていて踵のホールド感が非常に高いです。シュータンも適度な硬さで足首周りのフィット感も良好です。
走行感
厚底のデメリットを抑えつつ性能アップ!
前作は助力と操作性のバランスが良く人馬一体感がありましたが、「マジックスピード4」は厚底ソールの反発とロッカーによる助力が大きくシューズを使って走る感覚が強くなりました。
前足部のFF Turboは踏みやすく反発性は前作よりもパワフルです。一方で、積極的に踏まなくてもソールの厚みとロッカーの落差から来る重心移動のアシストにより足を回しやすく、弾ませても転がしてもペースを上げやすいのが特徴的でした。
厚底になった分クッション性も向上していますが、踵部は意外にも沈み込みが少なく接地感・安定感も維持されていました。唯一、ソールの厚さにより前作よりも足抜けがもっさりしていました。
総じて、軽量感以外の性能(反発性、クッション性)は前作よりも高いと感じました。助力が大きくサポート機能は少なめなため、LSDやスロージョギングよりもロング走・長距離レース向きと考えます。
競合モデルよりもオールラウンド
競合モデルと比較すると下記の序列に感じました。性能のバランスが良いためオールラウンドな性能を求めるランナーや初めての厚底レーシングシューズにオススメです。
- 反発性:ズームフライ6>マジックスピード4>アディゼロボストン≧フューエルセルレベル
- クッション性:フューエルセルレベル≧マジックスピード4>ズームフライ6≧アディゼロボストン
- 安定性:アディゼロボストン>マジックスピード4>フューエルセルレベル≧ズームフライ6
- 軽量感:フューエルセルレベ>ズームフライ6≧アディゼロボストン>マジックスピード4
アシックス内で比較すると下記の序列に感じました。反発性を重視するなら「S4」、軽量性を重視するなら「マジックスピード3」、バランス重視なら「マジックスピード4」がオススメです。
- 反発性 S4>マジックスピード4>マジックスピード3
- クッション性 S4≧マジックスピード4>マジックスピード3
- 安定性 マジックスピード3>マジックスピード4>S4
- 軽量感 マジックスピード3>S4>マジックスピード4
サブ4〜サブ3狙いにオススメ
筆者の感覚でもサブ4〜3ペース(キロ5分半〜4分前半)で走りやすく、キロ6分からメリットがあると感じました。
キロ4分後半〜5分で最も走りやすく足を置くだけで反発を貰えて巡航が楽でした。また、キロ5分〜6分でも安定感とロッカーによるアシスト感が得られてエコに前に進める感覚でした。キロ6分より遅いペースでは重さと接地感の無さを感じやすく、ある程度のスピードに乗った方が気持ちよく走れる感じました。
総じて、サブ4~3(キロ5分半~4分後半)ペースでの使用にオススメです。中でもメタスピード系をレースに使用するランナーにとっては練習用筆頭になると考えます。
まとめ
- 40mm超えの超厚底でクッション性向上
- FF Turbo搭載で反発性向上
- 重量が約20g上がり足抜けが遅くなったのがデメリット
- 意外に接地感・安定感がありバランスが良い
- サブ4〜3狙いのレース用、ロング走にオススメ
サブ4とその更に上を目指すランナーの本命レースから練習用まで強くオススメしたいシューズです。マラソンシーズンに向けて頑張っていきましょう!
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