<レビュー>Peba配合で高反発化してもクッション性は健在!「Fuelcell sc elite v4」

ランニング

こんにちは。2024年2月にニューバランスより「FuelCell SC Elite v4」が発売されました。筆者は初代からこのシリーズを履いており、今作も履いてみましたので感想をレビューします。

「FuelCell SC Elite v4」の特徴

スペックと前作との違い

「FuelCell SC Elite v4」のスペックは以下の通りです。

  • 最大39mmの厚底ソール(前作同様)
  • Peba配合の高反発素材「Fuelcellフォームを全面搭載(前作はPeba非配合)
  • 独自形状のカーボンプレート「Energy Arcを搭載
  • ドロップは4mmとフラット気味(前作同様)
  • 重量は約225g(26.0cm)と軽量(前作より約15g増加)
  • アッパーはエンジニアードメッシュ(前作同様だが非伸縮寄り)
ニューバランスの中でも長距離のスピード巡行に特化したハイエンドモデルで、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)2023にて2位となった赤崎暁選手(九電工)が着用されていました

Pebaが配合されソールが高反発化

ミッドソールにはニューバランス独自の高反発素材「Fuelcellフォームが使用されており、今作ではPeba」が配合されて素材自体の反発弾性が向上しています。「Peba」は現時点で最軽量・最高反発弾性といわれる素材で各社レーシングモデルに使用されています。

公式によると前作に比べてエナジーリターンが4%向上したようです。

独自形状のプレート「Energy Arc」により反発性・安定性を両立

「FuelCell SC Elite v4」に搭載されているカーボンプレート「EnergyArc」はキャンバー構造(弓状)になっていて中心にパワーと重心を集めやすい構造となっています。

サイズ感・履き心地

サイズは僅かに大きめ

サイズは前作や他モデルよりも僅かに大きめに感じました。

また、同時期に発売された「Fuelcell rebel v4」と同じサイズ感でしたが「FuelCell SC Elite v4」の方が前足部が僅かに狭め(D相当)に感じました。

そのため、足幅が広めなら普段と同サイズ前足部が細めなら普段と同じ〜ワンサイズダウンがオススメです。

参考に、筆者はアディダス(アディオスプロ,タクミセン)、アシックス(メタスピード,マジックスピード):26.0cm、ナイキ(ヴェイパーフライ,ズームフライ):26.5cmで、「FuelCell SC Elite v4」は26.0cmでぴったりでした。

アッパーのホールド感が改良

前作のニット系アッパーはホールド感がやや弱めと感じていましたが、「FuelCell SC Elite v4」はアッパーの伸縮性が調整されてホールド感が向上したと感じました。

シュータンも一体型から独立型になり、足首周りのホールド感が特に改良されたと感じました。ヒールカップは程よい高さと硬さでホールド感は十分だと感じました。

前作(Fuelcell SC elite v3)

シュータンが短めで不安

1点、シュータンが少し短いためシューレースを一番上まで締めるとシュータンの先端ギリギリまでシューレースが達してしまいます。ハーフマラソンで使用しましたがトラブルはなかったため、シュータンをしっかりと引き上げれば問題ないと考えます。

走行感

これまでの「Fuelcell」とは別物

一歩目から感じた印象として、Pebaが配合されたことでミッドソールの硬さが増し「Fuelcell」らしい沈み込みとマキシマムなクッション感が少なくなったと感じました。(ヴェイパーフライよりも沈み込みが少なくなったと感じました)

反対に、前作に比べて高いクッション性を持ちながらレスポンスの速さと反発性が上がったと言えます。

前作は沈んでからボヨンと反発するタイプでしたが、「FuelCell SC Elite v4」は反発の戻りが速くペースが上がるほどレスポンスが速くなりピッチとストライドの両方を上げやすかったです。

そのため、ピッチ走法〜ストライド走法まで走法を選ばなくなったと考えます。

クッション性、サポートが良好

新たな「Fuelcellフォーム」は接地の衝撃は吸収しつつ沈み込み過ぎず、クッション性安定性どちらも良好でした。「Energy Arc」のおかげか左右にグラつき難く直進安定性が高かったです。反対にトラックのコーナーでは少し曲がり難いと感じました。

また、ソールがフラット寄りのためか姿勢を真直ぐ維持しやすく体全体を安定させて走ることができました。ハーフマラソンで使用しましたが普段よりも脹脛と体幹の負担が少なかったです。

総じて、脚と体幹のサポート性能は競合トップクラスだと感じました。疲れた時に姿勢が崩れて失速してしまうランナーと相性が良いと考えます。

助力は微妙だがペースを維持しやすい

Pebaが配合されて前作より高反発・高推進力になったものの、競合モデルよりオートマチックな反発性・推進力は控えめに感じました。一方で、シューズに乗れていると軽く脱力してもペースダウンしにくくペース維持が楽でペースコントロールもしやすかったです。

そのため、勝手にスピードが上がる助力よりも、一度上げたスピードを維持させる助力を求めるランナーにオススメです。

ミッドフットにオススメ

ロッカー(シューズの反り上がり)が前作よりも強く感じましたが、競合モデルに比べると全体的にフラットなためシューズの転がりがナチュラルで癖が少なかったです。

接地感は典型的な厚底シューズで、筆者の場合はミッドフットでソールを面で押すと反発を貰いやすかったです。前足部は柔らかいためフォアフットでは目立った推進力は感じず、ヒールフットでは踵が沈み中足部で詰まる感覚がありましたが、ペースが速いほど気にならなくなると思います。兄弟モデルの「Fuelcell rebel v4」にも近い感覚でした。

そのため、厚底に慣れている、ミッドフット寄りのランナーと相性が良いと考えます。

サブ3.5〜エリートまで広くオススメ

エリート向けのスペックになりましたが、前作(Fuelcell SC Elite v3)よりも走りやすいスピード域が広いと考えます。

ソールが柔らかいにも関わらず、ペースを上げるほど反発のレスポンスが速くなり脚がもたつかなかったです。キロ3分の400mレペティション、キロ3分半の1000mインターバル走、キロ4分のペース走でも脚を回しやすく、このシューズの真価を発揮するのはキロ3分台だと感じました。

一方で、ペースを下げるほどクッション性・安定性が高くなるのを感じ、キロ4〜5分でも使いやすかったです。

キロ5分より遅いペースでも安定感がありデメリットは少ないと考えますが、レース用なら「Fuelcell rebel v4」や「Fuellcell SC trainner」の方がサポート性能が高くペース相応の助力を得やすく走りやすいと考えます。

総じて、レース用ならフルマラソンでサブ3.5~2.5まで広くオススメです。短いレースや駅伝用なら万人に使いやすいと考えます。

まとめ

    • スピード巡行に適した厚底ハイエンドモデル
    • Peba配合により高反発化、沈み込みが少なくなった
    • 推進力は控えめだがクッション性、安定性、サポート性能が高い
    • スピードよりもペース維持を求めるランナーにオススメ
    • 厚底に慣れていてフラット〜ヒール寄り接地のランナーにオススメ
    • サブ3.5~2.5にオススメ、短い距離なら万人にメリットあり

ソールが柔らかいイメージが強いニューバランスですが、Peba配合により攻撃的なシューズとなりました。レースでも履く予定のため、レース後にまた感想を載せたいと思います。

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