逆に踵接地にオススメ!?接地をガイドする癖強シューズ「ウェーブリベリオンプロ」

ランニング

こんにちは。ミズノから発売された厚底レーシングシューズウェーブリベリオンプロ」を実際に履いた感想をまとめました。

ウェーブリベリオンプロの特徴

エリート向けレースシューズ

「ウェーブリベリオンプロ」はミズノの中でエリートランナー向けのレーシングシューズの位置づけです。スペック上の特徴は以下のとおりです。

  • カーボン配合ナイロンプレート(ミズノウェーブ)を搭載
  • 世界陸連規格内(ロード用)の厚底ソール(踵部39mm)
  • 中足部のソール厚みが最大50mm
  • 踵部をカットした「スムーズスピードアシスト」によるガイド機能
  • ソール素材は「Mizuno Enerzy Lite」と「Mizuno Enerzy Lite+」の2層構造
  • アウトソールはスパイク状の「G3ソール」
  • 重量は220g(27.0cm)

「スムーズスピードアシスト」による接地のガイド機能

外観からも分かる一番の特徴として、踵部がカットされた「スムーズスピードアシストによりミッド〜フォアフット接地をガイドする設計となっています。

出典:Step sports online.com

カットされた踵部はソールが薄くなっているため、ロードレースにおける世界陸連規定(踵部の厚み40mm以下)に適合しています。中足部は約50mmの超厚底ですが2023年現在では中足部に関しては規定が無いため公認大会でも使用可能です。

ウェーブプレート+2層構造のソール

ミッドソールは安定性の高い「Mizuno Enerzy Lite」と反発弾性の高い「Mizuno Enerzy Lite+」の2層構造となっています。外観では下層の「Mizuno Enerzy Lite」の割合が多いです。安定性を優先しての設計と考えます。

下層(Mizuno Enerzy Lite)の方が沈み込み難いです。

加えて、ソールの間にはミズノの代名詞でもある波状の「ウェーブプレート」が搭載されていて安定性とクッション性の両立が図られています。プレートはカーボン配合ナイロン製のためカーボンプレートに比べて柔軟性があり扱いやすいのが特徴です。

サイズ感・履き心地

サイズ感は縦に小さめ

サイズは縦に小さく横幅は標準的だと感じました。筆者は基本的にアシックス、アディダスは26.0~26.5cm、ナイキ、ニューバランスは26.5cmを履いていますが、26.0cmでは足入れ時点で親指の先が当たったため26.5cmにしました。

そのため、2サイズで迷う場合はワンサイズ大きめ幅広甲高の人にオススメです。

個人的にはホールド感とスムーズスピードアシストの感覚は26.0cmの方が良かっただけに残念でした。次期モデルはサイズ感を見直して貰えると嬉しいです。

アッパーは程よい柔らかさ

アッパーは伸縮性が絶妙でホールド感と快適性のバランスが良いです。補強などのサポートは少なめでアッパー全体でホールドされる感覚でした。レースモデルによくある極薄でパリパリしたアッパーが苦手な人にオススメです。

ミズノらしいしっかりとしたヒールカップです。

見た目に反して癖が少ない

踵部がカットされていますが普通に歩いたり立ち止まっていられたので、レース前の移動やスタンバイ時もストレス無く過ごせそうです。

走行感

接地方法により印象が大きく変わる

筆者はミッドフォア接地なのですが、ミッドフォア、フォアフットでは競合モデルに比べて助力やアシスト感は控えめで良くも悪くも癖が無いと感じました。また、中足〜前足部にかけてソールがフラットで昨今の厚底シューズにありがちな前足部でカクンと倒れる感覚が少ない分、安定性が高いです。

ソールが最も厚い中足部で接地すると少ない力でも前方への強い反発と転がるアシストを感じました。また、ある程度スピードが乗っていれば踵接地でも重心移動のアシストと反発が同時に来る感覚で走りやすかったです。

よって、フォアフッター(前足部接地)よりもミッド〜ヒールフッター(中足〜踵接地)と相性が良いと考えます。あえて体の前で荷重するヒールストライクで走ると中足部にブレーキを感じたため接地・荷重位置の確認、矯正に使えそうだと感じました。

ピッチを上げやすいのに蹴りやすい

スムーズスピードアシストと沈みにくいソール構造により、薄底シューズかのように足離れが速くピッチを上げやすかったです。また、「G3ソール」のグリップが非常に強いため地面に噛み付いて力強く蹴り出すこともできました。

前衛的なデザインにも関わらず、クラシックな薄底シューズのようにガシガシ自力でペースを上げやすいシューズに感じました。疲労感の質も、ソールの反発に耐えたというよりも脚を必死に回した疲労感を感じました。

安定性は高いがカーブに注意

ソールの沈み込みが少なく中足〜前足部もフラットなため、競合モデルと比べて直進時の安定性が高いと感じました。

トラックのカーブでは減速せず徐々に曲がるため横ブレは感じませんでしたが、ロードでは折返しを減速しながら曲がる時に横ブレを感じました。

キロ5分より速いペースでメリット有り

キロ5分より速いペースであれば接地方法を選ばず扱いやすいと考えます。

筆者の走り方と合っていないためか、筆者の本気のペース(キロ3分台)では競合モデルの方が助力を感じやすかったです。しかし、レースペース〜少し脱力したキロ4分~4分半にて中足部から前に押して貰える感覚でペース維持が楽で、競合モデルと同様のパフォーマンスで走れました。

一方で、キロ5分より遅いペースでは中足部に異物感を感じ走り難いと感じました。特に初心者のヒールストライカーだとブレーキがかかりやすく関節へのダメージが増える可能性がありオススメしないです。

総じて、サブ3.5〜3狙い(キロ5〜4分)、ペースの底上げよりも終盤までの粘りを優先したいランナーにオススメです。また、少し脱力して中足部のスムーズスピードアシストを使って一定ペースで刻む方が楽に走れると感じました。

まとめ

  • 踵部がカットされ中足部が極厚の独自設計
  • ミッドフット〜ミッドヒール接地にオススメ
  • サイズは普段と同じ〜ワンサイズ大きめがオススメ
  • 安定感・グリップを重視する人にオススメ
  • サブ3.5〜3(キロ5~4分ペース)にオススメ
  • 少し脱力して一定ペースを刻むのが得意

オリジナリティと性能が両立されていて今まで履いた中で一番楽しいシューズだと感じました。サイズ感とソールの設計が変わったら大化けする気がするので次期モデルにかなり期待しています。海外情報ではすでに2のプロトタイプがあるやら…

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