こんにちは。2025年7月よりアディダスより「アディゼロタクミセン11」が発売されました。筆者はタクミセン8から愛用していて今作も早速履いてみましたのでレビューします。
「タクミセン11」の特徴
長距離ロードレース向けの厚底シューズ
「タクミセン11」は5〜10kmのロードレース用がコンセプトとされておりスピードモデルの位置づけです。ソール厚みはWA規格に迫る36mmとなり完全に厚底シューズのカテゴリーになりました。
スペック及び前作との違い
タクミセン11のスペックと前作(タクミセン10)との違いを以下にまとめます。
- ソール厚みは踵部36mm, 7mmドロップ(前作は33mm, 6mmドロップ)
- 高反発性素材「Lightstrike Pro」を全面搭載(前作と同じ)
- 「EnergyRods2.0」を搭載(前作同様)
- 重量は188gと超軽量(27.0cm, 前作は197g)
- アウトソールは「Light traction」がメイン(前作は通常のラバーがメイン)
- アッパーは新素材「Light Lock」(前作は通常のメッシュ)
- 定価は24,200円(前作は22,200円)
サイズ感・履き心地
サイズは標準的
縦はアディダスの他のモデルと同じサイズで問題無かったです。前作(タクミセン10)よりも横幅とボリュームが広い(標準に戻った)ため、極端に細身でなければ多くの人にとってタクミセン11の方が足幅がフィットすると考えます。
柔らかいのにホールド感の高いフィット感
新素材「Light Lock」アッパーは薄手で絶妙な伸縮性です。縦横で伸縮性が異なるそうで、ニットとメッシュの良いとこ取りをしたような履き心地でフィット感・ホールド感ともに良好です。唯一、アッパーの目が非常に細かいため通気性がやや不良でした。
前作(タクミセン10)はシュータンとヒールカウンターが薄く最小限のフィット感でしたが、タクミセン11はシュータンの厚みが増えた事に加えて甲側にクッションが付き甲周りのフィット感が改善されました。
ヒールカウンターは薄いままですが滑り止めのクッション材が増えてホールド感に問題は無かったです。
走行感
厚底寄りの反発・接地感
ソール厚みが増えたことでタクミセン10よりも接地感が少なくクッション性が高いです。前足部のロッカーのガイドも強くなりシューズを曲げるよりもソールを潰して反発で弾む感覚が強くなりました。
厚底になった分、蹴り出しのダイレクト感が僅かに減りましたが元々長距離向けのモデルのためメリットの方が大きいと考えます。
ピッチを上げやすく操作性が良好
厚底のスペックに対して意外にも足抜けが良好でピッチを上げやすいです。
「EnergyRods」は前作よりも硬く全体的な屈曲性は低いですが母指球より前側は屈曲性が高いです。また「アディオスプロ4」や「EvoSL」よりも前足部の肉抜きの面積が小さく前足部の先までグリップしてくれるため最後まで蹴り出しやすいです。
蹴り出しまでガイド感のある「アディオスプロ4」よりオートマチックな助力は控えめと感じますが、「タクミセン11」は最後の蹴り出しはマニュアル感がありスピードコントロールがしやすいと感じました。「アディオスプロ4」で助力が強すぎて不安を感じたランナーにもフィットすると考えます。
レース用に広くオススメ
歴代モデルと同様に反発性に対して踵部の安定性、耐久性は決して高くないため、初心者には少し扱い難いと考えます。キロ5〜4分ペースでは「アディゼロボストン13」や「EvoSL」でカバー出来てしまうため「タクミセン11」はキロ3分台ペースでのレース・スピードトレーニング向けにオススメです。
マラソンモデルに極めて近い設計のため、マキシマムな助力よりも巡行性能と操作性のバランスを求めるランナーに特にオススメで、5〜10kmに限らずフルマラソンまで広く活躍してくれそうです。
まとめ
- ソール厚み36mmになり厚底シューズ寄りの履き心地になった
- 重量188gと厚底のカテゴリーでは最軽量クラス
- 横幅が広く(標準的に)なった
- 「Light Lock」アッパーとシュータンのクッション増量によりフィット感向上
- ピッチを上げやすく巡行性能と操作性のバランスが良い
- キロ3分台のレース、スピードトレーニングにオススメ
ほぼ「アディオスプロ4」のマイナーチェンジモデルと言っても良いくらいスペックが似てきました。地脚を鍛えつつワンランク上のスピードを目指して頑張って行きましょう!
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