＜レビュー＞扁平足・初心者は注意！だが超軽量でレース向け筆頭「マジックスピード5」

こんにちは。2025年12月よりアシックスから「マジックスピード5」が発売されました。筆者は初代から履いていましたが今作も楽しみで早速履いてみましたので感想を以下にまとめました。

「マジックスピード5」の特徴
1. ターゲットはサブ4
2. スペック・前作との違い
サイズ感・履き心地
走行感
まとめ

「マジックスピード5」の特徴

ターゲットはサブ4

「マジックスピード5」は昨今主流の厚底ソールとカーボンプレートが搭載されたスピードモデルです。公式ではフルマラソンサブ4がターゲットとされており、「S4yogiri」と「エボライドスピード」の中間の位置づけのモデルです。

筆者が見た限り、マラソン大会でサブ4前後のブロックは「マジックスピード」と「ズームフライ」が2強の印象です。

スペック・前作との違い

カーボンプレート搭載（形状変更）
ミッドソールは高反発素材「FF Leap」と「FF Blast+」の2層（前作はFF TurboとFF Blast+）
ソール厚みは最大37.5mm（前作は約42.5mm）
ドロップは7mm（前作は8mm）
重量は196g（27.0cm, 前作は245g）
アッパーはエンジニアードメッシュ（前作同様）
定価は19,800円（前作は18,700円）

一番の変更点はミッドソールで、エリートモデル「メタスピードTokyo」シリーズに使用されている高反発素材「FF Leap」が上層全面に搭載されました。一方でソール厚みは前作よりも5mm薄い最大37.5mmになり重量も200g以下に軽量化されました。また、カーボンプレートも前足部が二股に分かれ踵部の面積が縮小された形状になったことで柔軟性が高く扱いやすくなりました。

出展：asics.com

サイズ感・履き心地

サイズはやや細め

サイズについて、縦は標準的ですが中足部の横幅が狭めでした。アッパー自体もタイトなため歴代モデルに比べて細身に感じました。

特にアーチサポートにより土踏まず辺りが盛り上がっているため、扁平足気味の筆者にとっては異物感を感じました。反対にハイアーチやアーチサポートが好みのランナーには抜群にフィットすると考えます。

レース向け仕様でホールド感が抜群

アッパーは前作同様にエンジニアードメッシュですが前作よりも薄く硬いです。通気性と追従性が高くサブ4がターゲットのシューズとしてはかなりレース向けに振った履き心地でした。

前作マジックスピード4

踵のホールド感が良好

軽量にも関わらず重厚なヒールカップが搭載されていて踵のフィット感・ホールド感が非常に高いです。シュータンも適度な硬さで足首周りのフィット感も良好です。シューレースも「メタスピード」シリーズと同様の凹凸のある素材で解けにくく軽量感もあります。

走行感

操作性、加速性がアップしたがサポートが低下

前作（マジックスピード4）は超厚底でロッカーのアシストが強くシューズを使って走る感覚が強かったですが、「マジックスピード5」はソールがフラット寄りになっており、接地感とマニュアル感があり操作性が高いです。ソールも分厚すぎず加速とペースコントロールがしやすいです。

一方で、前作よりもシューズが転がるアシスト感が控えめになったため足を置くだけでは進み難くなったと感じました。筆者にとっては軽量化のメリットが大きく不満はありませんが、サブ4狙いのペース帯だともう少しロッカーによるアシストがあった方が扱いやすいと考えます。

反発性は高いが人を選ぶ

足裏にプレートの存在感があり前足部を中心に程良い屈曲性で扱いやすいです。屈曲の戻りも速くキロ3分台のペースでも不満のないテンポで走ることができました。

ミッドソール自体は芯のある硬さで沈み込みが少なく接地感と安定感が高いです。ソールの前足部を潰すと力強い反発が素早く返ってきて反発性の上限は歴代最高と感じました。

一方で、しっかりとソールを潰さないと（スピードが足りないと）反発を貰い難くやや中上級者向けになったと感じました。筆者の感覚ではサブ4以上のスピードか前足部を踏み続ける技術が必要と感じました。

競合モデルとの比較

「S4yogiri」に比べて「マジックスピード5」はソールが柔らかく反発性が高いです。反対にダメージが強くロッカーによるアシストが控えめなため「マジックスピード5」の方が攻めたシューズ（S4yogiriの方が失速時に耐えやすい）と考えます。

「ズームフライ」と比べると、「マジックスピード5」の方が踵部が広く安定性が高いですが「ズームフライ」は踵部の接地面が少ない分前足部を踏みやすく同等のスピード性能に感じました。

総じて、サポート重視で確実なサブ4を狙うなら「S4yogiri」、スピードと踵の安定性重視なら「マジックスピード5」、スピード重視のフォアフッターなら「ズームフライ」がオススメです。

サブ4確実〜3付近のレース・練習用にオススメ

前述の通り、レース向けの仕様となりサブ4向けとしては人を選ぶシューズと考えます。

反対にサブ3.5~3狙いのランナーにとってはレースだけでなくポイント練習まで広くカバーできそうです。エリートモデルに限りなく近いスペックのため、エリートモデルと悩む場合は「マジックスピード5」は確実な選択肢になると考えます。また、接地感があり反発のテンポも速いため、スピード練習や陸上部選手のアップ、冬季練習にも使いやすいと考えます。

価格もカーボンプレート搭載で2万円以下で手が届き、アウトソールも十分な厚みがあり耐久性が高そうです。