〈レビュー〉サブ3.5生産機?サポート特化のレースシューズ「ウェーブリベリオンフラッシュ3」

ランニング

こんにちは。イベントでミズノ「ウェーブリベリオンフラッシュ3」を履いて試走する機会があったため感想をまとめます。

「ウェーブリベリオンフラッシュ3」の特徴

ターゲットはサブ3.5

「ウェーブリベリオンフラッシュ3」はサブ4〜3ランナー向けとされており、特にサブ3.5を狙うランナーのレース用として公式で紹介されています。

中でもリベリオンシリーズは踵部がカットされた「SMOOTH SPEED ASSIST」(SSA)構造が特徴で、初期モデルの発表当初は大きな話題となりました。

出典:Step sports online.com

WA規定(厚み40mm以下)に適合しており公認大会で着用可能となっています。厳密にいうと最大厚みは40mmを超えていますが、WA規定の測定箇所(踵部から12%,75%の位置)において40mm以下となっており文言上適合しています。

スペック

スペック、前作との違いは以下のとおりです。

  • WA規格におけるソールの最大厚みは37.5mm(前作は35.0mm)
  • WA規格におけるドロップは3.0mm(前作は0.5mm)
  • 新素材「MIZUNO ENERZY XP」と「MIZUNO ENERZY NXT 」の2層構造
  • SMOOTH SPEED ASSIST」(SSA)構造
  • グラスファイバー配合ナイロンプレートを搭載(前作同様)
  • 重量は約245g(27.0cm, 前作同様)
  • 定価20,900円(前作は18,700円)

スペック上の一番のアップデートはミッドソール素材で、上層は軽量で高反発な「MIZUNO ENERZY XP」、下層は安定性の高い「MIZUNO ENERZY NXT」になりました。前作と比べて前足部におけるクッション性が約22%、反発性が約32%向上しているそうです。更に、独自技術のSSA構造により前足部接地をアシストすると同時に脹脛の負担を軽減する効果があると説明されています。

また、昨今のレーシングシューズにはカーボンプレートが搭載されていることが多いですが「リベリオンフラッシュ3」はナイロンがベースとなっていて、カーボンプレートに比べて少ない力でも曲げやすく扱いやすい特徴があります。

サイズ感・履き心地

サイズは標準的

サイズは縦に標準的、横にやや広めに感じました。リベリオンプロシリーズよりも僅かに広く、ネオビスタ2、ネオゼンよりも全体的にワンサイズ相当小さく感じました。

横幅は2E相当ですが、ワイドモデル(3E)も展開されているため足幅に応じてサイズを選ぶことができます。

快適性と軽量性のバランスが良好

アッパーは適度な厚みでクッション性とホールド感のバランスが良好です。競合モデルであるズームフライやマジックスピードとほぼ同じ重量(約245g,27cm)ですが、個人的にはレーシング向けに振るならもう少し薄いアッパーにして軽量化しても良いのではと感じました。

ヒールカップ、シュータンは十分な厚みと剛性があり足首と踵周りフィット感が良好でした。また、SSA構造により踵がカットされていますが歴代モデルよりも歩きやすく非走行時もストレス無く過ごせました。

 

アウトソールのバランスが良好

アウトソールは昨今標準的なフラットなラバーで、グリップとクッション性のバランスが良いと考えます。耐久性も高そうです。

走行感

操作性と攻めのサポートが特徴

厚底の割にミッドソールの沈み込みが少なめで接地感があります。競合モデルに比べてオートマチックな推進力のアシストが控えめな分、スピードを調整しやすいです。

SSA構造により踵がカットされていますが、実際に走るとまったく不安定さが無く自然に走れました。通常のコンディションではSSA構造の恩恵や癖はあまり感じ取れませんでしたが、重心が下がりSSAの頂点に乗った時に下から重心が支えられる腰高サポートを強く感じました。多少脱力しても重心が落ちにくかったため、レース中のちょっとしたタイミングで走りながら休められそうです。

バランス型にオススメ?

前足部接地ではオーソドックスな走行感でしたが、踵もしっかり着くとSSAによるサポート感が得られ巡航が楽でした。極端なヒールストライクではSSAが前で引っかかり異物感があったため、接地法問わずある程度フォームが整っているランナーにオススメしたいです。

極端に脚が回るわけでも反発でストライドが伸びるわけでも無かったため、標準的な走法のランナーと相性が良いと考えます。

競合モデルとの比較

筆者の感覚では、競合モデルに比べて以下の位置づけに感じました。

  • トップスピード:ズームフライ6=初代S4>フラッシュ3>マジックスピード4
  • 反発性:初代S4≧ズームフライ6>マジックスピード4=フラッシュ3
  • クッション性:マジックスピード4>初代S4>フラッシュ3>ズームフライ6
  • 安定性:マジックスピード4=フラッシュ3>初代S4>ズームフライ6

正直なところ助力はズームフライ、マジックスピードに軍配が上がりそうですが、リベリオンフラッシュ3は攻撃的過ぎずSSAによるサポートがあるため苦しい時でも最大限のパフォーマンスで走れそうです。

サブ3.5狙い、サポート重視にオススメ

筆者の感覚では公式の通りにサブ3~4ペース、本命レース用としてはサブ3.5狙いにオススメです。中でも適度に柔らかく扱いやすいプレートとSSAの腰高サポートにより、競合モデルに比べてスピードよりもサポート特化のレーシングシューズだと考えます。

筆者の感覚ではキロ5〜4:30付近で最もクッション性と反発性のタイミングが合って走りやすかったです。

キロ3分台でも体感よりも15秒程度速いスピードが出ましたが、SSAの沈み込みを避けるために脚を前に前に速く回す走りになり少し窮屈に感じました。スピード練習用には全く問題ありませんがサブ3狙いなら「リベリオンプロ」などのエリートモデルの方が巡航が楽と考えます。

サブ4(5:40)ペースでも十分走りやすかったですが、キロ6台になるとSSAの異物感が目立ったため、最後まで5分台をキープできる自信がある時に履きたいてす。

総じて、サブ3.5付近のペース帯にオススメです。サブ3.5に向けた練習ペースであるキロ5後半(ジョグ)〜4分(スピード練)を一足でカバーできるため練習用からレース用まで広くオススメです。

まとめ

  • SSA構造は以外にも癖がなく接地感が高い
  • 最速シューズではないがサポート機能と軽量性のバランスが良好
  • サブ3.5狙いにオススメ

しばらくミズノシューズを避けていましたが、ミズノの良さを再確認することができました。超軽量な新モデルの発表も控えているため今後もチェックしていきます。

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