〈レビュー〉YONEX史上最速だけど高剛性過ぎる!「カーボンクルーズエアラスGT」

ランニング

こんにちは。2026年8月よりヨネックスのランニングシューズ「Carbon Cruise Aerus GT」(カーボンクルーズエアラスGT)が発売されます。今回、富山県富山市にある「スポーツショップランナー」さんの試走イベントにて実走させて頂きましたので感想をまとめます。

特徴

ヨネックス最速モデル

「トレーニングの走りを、レース本番へ」がコンセプトで、「カーボンクルーズ」シリーズから分岐したスピード特化モデルです。

Yonexは古くからゴルフ、ラケット競技、スポーツバイクなどでカーボン素材を使用しており、カーボン素材に関する卓越した技術を持ったメーカーです。これまでは膝脚の負担軽減を意識したモデルが多かったのですが、近年ではレーシングモデルのラインナップも増えてきていると感じています。

スペック

スペックは以下の通りです。

  • 独自新形状のカーボンプレート「3D POWER CARBON」搭載
  • 新素材「POWER CUSHION® REV」と「FEATHER LIGHT X」の2層構造
  • 最大ソール厚み39mm, 6mmドロップ(SRは34mm)
  • 重量は215g, 26.0cm(SRは242g)
  • 定価20,900円(SRは19,800円)

既存モデル「カーボンクルーズエアラスSR」と比較して、プレート、ミッドソールともにスピード性能が強化されています。ミッドソールの新素材「POWER CUSHION® REV」は従来品と比較して衝撃吸収性が37%、反発性が42%向上しているようです。今作では安定性の高い「FEATHER LIGHT X」との2層構造で、前足部は「POWER CUSHION® REV」の割合が多くなっています。

また、「3D POWER CARBON」は従来品からウィングを追加し、リブ溝を深くすることで安定性と剛性が高められた設計となっています。

サイズ感・履き心地

横幅はやや狭め

縦のサイズ感は標準的です。日本ブランドにしては横幅がやや狭め(ウィズD相当)のレーシングフィットでアディダスに近いサイズ感でした。

ホールド感と軽量性の良好なアッパー

アッパーは非伸縮性の適度な硬さのメッシュ素材で、ホールド感、軽量性、通気性が良好です。キロ3分前半までペースを上げても全くブレやもたつきを感じませんでした。

シューレース「エラスティックバンド」もギザギザ波打った形状で解け難いです。

  

シュータンとヒールカラーの厚みは十分で局所的な圧迫感は無かったです。

踵が僅かに浅い

敢えて不満を言うと、ヒールカップが僅かに浅いと感じました。踵の抜け感は全くありませんが普段よりも低い位置に踵が触れている感覚で、履いた瞬間には違和感がありました。但し、下りカーブで踵に体重を預けても横ブレを感じなかったので走行には全く問題ない範疇と考えます。

走行感

全体的に硬くハイパワー

筆者がこれまで履いたレーシングモデルの中でもミッドソール、プレートともにかなり高剛性です。足を置くだけではミッドソールは潰れずプレートも屈曲し難く、シューズから反発を得るには結構なスピード(キロ4分程度)または加重が必要と感じました。

上から押すだけではビクともしません。

その分に脚が跳ね上がるくらい反発が力強くレスポンスも速いです。自ずと腰高のフォームになりピッチとストライドが上がりました。また、沈み込みも非常に少なく接地感と安定性が非常に高いです。一方で、クッショニングは沈み込まないのに接地時の衝撃は消してくれる感覚で、クッション性は意外にも高いと感じました。

総じて、ストライド走法沈み込みの少ないクッショニング、硬めのソール構成が好みのランナーにオススメです。

キロ4分台のみ扱いづらい

このシューズが扱いやすいのは、かなり速いペースとゆっくりペースに2極化していると感じました。

剛性の高さから速いペースほど反発がクイックに得られ、キロ3分台で最も楽にスピードに乗れました。短距離選手のアップ、冬練用にオススメできるほど反応も速いです。

反対にペースが落ちるほどプレートの硬さが目立ち、キロ4分半前後では突き上げと反発に耐えながら走る感覚で走りにくかったです。不思議なことに、キロ5〜6分までペースを落とすと反発自体が控えめになり高剛性のソールによる安定性とロッカーにより走りやすくなりました。

総じて、レース用ならキロ3分台、またはキロ5〜6分台でのペース帯での使用がオススメです。

グリップは秀逸

アウトソールの面積と厚みは十分で、上り下りカーブ問わずどこで接地しても良くグリップしてくれました。

軽量性だけ惜しい

唯一、重量は215g(26.0cm)と十分に軽量ですが、スピード性能に対して軽量性が今ひとつ足りないと感じてしまいます。

このシューズの剛性を御せるのはキロ4分を切るペース帯と考えますが、レース用とするには200gを切ってくれると有り難いです。

筆者はハーフ以下の距離で使用したいですが、この距離だと軽いシューズを選びたいと思います。但し、軽量化と「POWER CUSHION® REV」フルレングス化の余地を残してこの性能は素晴らしいです。

まとめ

  • YONEX史上最速スペックモデル
  • 非常に高剛性でパワフルなソール
  • キロ3分台または5分台ペースにオススメ
  • レーシングモデルとしては僅かに重め

昨今グニャグニャのソールが多い中、高剛性でパワータイプの個性際立つシューズで、合う人には最高の1足になると考えます。そして定価2万円強というコストパフォーマンスも魅力的です。

シューズに負けないようランナー側もパワーアップして行きましょう!

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