こんにちは。昨今シューズの進化が進み、性能だけでなく一昔前のように軽量性も謳われるようになってきました。今回、プーマの超軽量レーシングシューズ「ディヴィエイトニトロエリート4」を手に入れたのでレビューします。
特徴
スペック
公式では「トップランナー向けレーシングシューズ」とされており、推奨ペース帯はサブ3以上となっています。スペックは以下の通りです。
- 高反発素材「NITRO FOAM™ ELITE」をフルレングス搭載(前作同様)
- カーボン製の「PWRPLATE」を搭載(前作同様)
- ソール厚みは32/40mm(前作同様)
- アウトソールは合成繊維ベースに変更(前作はラバーベース)
- 重量は約170g/27.0cm(前作は194g)
- 定価29,700円(前作は30,800円)
- 耐久距離目安400km(前作同様)
一番のアップデートとして重量が約24g軽量化(約170g)されています。定価3万円以下のシューズとしてはアシックス「メタスピードトーキョー」と同程度の軽量性です。ミッドソール素材などのスペックは前作と同様ですが、ミッドソール素材「NITRO FOAM™ ELITE」の硬度が前作よりも高いようです。
同ブランドでの比較
「ニトロエリート4」は「Fast-R 3」と同様のスペックですがソールの味付けが異なり、「Fast-R 3」よりもエナジーリターンが2%(93vs.95%)低い反面、耐久走行距離が倍以上あります。「ニトロ4」はやや重量があるもののソールの安定性と耐久性が高く、練習からレースまで幅広く使用できるスペックです。
| モデル | ニトロ4 | ニトロエリート4 | Fast-R 3 |
| ミッドソール | NITRO FOAM | NITRO FOAM ELITE |
NITRO FOAM ELITE
|
| 最大ソール厚み | 38mm | 40mm | 40mm |
| 重量 | 250g | 170g | 170g |
| 耐久走行距離目安 | 800km | 400km | 150km |
| 定価 | 22,000円 | 29,700円 | 38,500円 |
サイズ感・履き心地
サイズは標準的
縦のサイズは標準的で「ディヴィエイトニトロ4」及び歴代モデルと同程度に感じました。他ブランドに比べて横幅が狭めですが、前作よりも前足部と中足部が広めに感じました。

フィット感が秀逸なアッパー
この軽量性にも関わらずフィット感とホールド感いずれも良好に感じました。
アッパー素材は適度に柔らかくも伸び難く足の甲に合わせてぴったりフィットしてくれます。シュータンとシューレースホールも十分な厚みと硬さで局所的な食い込みは感じなかったです。


ヒールカップ先端にはクッション材が付いていて靴擦れの心配もなさそうです。筆者は不満を感じませんでしたが、ヒールカップが柔らかく浅めのためアシックスやミズノのシューズに慣れていると踵が抜けるように感じるかもしれません。


耐久性は中庸
軽量化のためかアウトソールが薄く面積も縮小されています。特に踵部内側にはアウトソールがないためヒールフッターだと早々に削れると思います。
一方で、これまで筆者が履いてきたプーマシューズはアウトソールが全く削れなかったため、耐久距離400km分は余裕で耐えてくれると考えます。


走行感
沈み込みが少なく薄底に感じる
前作及び競合モデルに比べてミッドソールは沈み込みが小さく安定性が高いです。
厳密には「グニャグニャ感が0に近い」感覚で、地面へのインプットに対する反応が速く加速やペースコントロールがとてもスムーズに感じました。スペックよりもソールが5mmくらい薄く感じました。
クッション性に関しては、接地時の衝撃は分厚いソールが吸収してくれるけどそれ以上は沈まず、フルマラソンにも必要十分なクッション性と考えます。
反発性と助力は凡庸?
安定性の高さと引き換えに、競合モデルに比べてオートマチックな反発性・助力は控えめに感じました。
誤解が無いように言うと「脚を置くだけで勝手に前に跳ねる助力」は控えめという意味で、軽量性とレスポンスの速さを武器に脚が良く回り、体感よりもキロ5秒程度速く走れました。実際の練習では、キロ3分のダッシュでももたつきを感じず、キロ4分のペース走でも実力+αを感じられたため、サブ3ランナーの筆者にとっては十分満足なスピード性能です。
前作(ディヴィエイトニトロエリート3)と比べて沈み込みが少なく安定性と反応性が上がったものの弾む感覚と前に転がる助力感は少なくなったと感じました。走り出しの瞬間は前作や他モデルの方が魅力的に感じるかもしれませんが、勝手に弾み難いが故にレース終盤でもシューズが暴れずにペースを守りやすいと考えます。
総じて、反発性よりもスムーズな足運びとレース終盤での安定性を求めるランナーにオススメです。
スイートスポットは無い?
「ニトロエリート4」はレーシングシューズにしては珍しく屈曲点が中足部寄りで広めに曲がるのが特徴的で、前足部〜中足部どこで接地しても安定して走れました。逆にアルファフライやアディオスプロのように爆発的に跳ねるスイートスポットは無く、良くも悪くも扱いやすいシューズです。

ロッカーが緩やかで全体的にフラットなため、踵接地だと重心移動のアシストを得にくかったです。筆者の場合、直立よりも前傾気味の姿勢で最も進みやすく感じました。

シューズを動力源にランナーが合わせるというよりも、ランナーが主体でそれに馴染んでくれるシューズに感じました。
サブ3.5以上にオススメ
非常に軽量かつレーシングシューズにしては安定性が高いため、サブ3.5より速いペース帯(走り方が合えば3.5狙い)にオススメです。
筆者の感覚ではキロ4分を切るペースで使いやすく、ニューバランス「Fuelcell SC Elite」やサッカニー「Endorphin Pro」よりも攻めていて、ブルックス「Hyperion Elite」よりも守りのシューズに感じました。特に爆発力よりも安定性の高いシューズのため、想定ペースを最後まで保たせてタイムに繋げたいランナーにフィットすると考えます。
一方で、安定性が高いと言ってもペースが下がり接地時間が長くなると突き上げや硬さを感じるため、サブ3.5狙いだとピッチ走法のランナーにオススメです。軽量性を最優先しない場合は、「ディヴィエイトニトロ4」や「ピュアニトロ」の方がダメージが少なくサブ3.5やサブ4を達成しやすいと考えます。
まとめ
- 超軽量かつ安定性、反応性が高い
- 反発性、助力は控えめだが十分なスピード性能
- レース終盤でも扱いやすい
- サブ3.5より速いペース帯にオススメ
昨今、シューズの性能が上がった反面、市民ランナーには手に余るシューズも増えてきました。目的や自分に合ったシューズを選択し、練習から本番まで充実させていきましょう!

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