<レビュー>厚底化でクッション性マキシマム化!接地感に反逆する「Fuelcell rebel v5」

ランニング

こんにちは。2025年6月よりニューバランスから「Fuelcell rebel v5」(フューエルセルレベルv5)が発売されました。筆者は初代から愛用しており今作も早速履いてみましたので感想をまとめました。

「Fuelcell rebel v5」の特徴

テンポアップ向けのハイクッションモデル

ニューバランスにおけるスピードモデル「Fuelcell」シリーズの中でも「Fuelcell rebel v5」は軽量性と反発性を重視した設計でテンポアップ(速めのジョギングから高強度ペース)に適したモデルです。情報誌などではサブ4〜サブ3.5向けとして紹介されることが多いです。

ミッドソールに使用されている「Fuelcellフォーム」は柔らかく沈み込みクッション性も高いのが特徴です。

スペック・前作との違い

スペックと前作との違いは下記の通りです。

  • ソールが厚みは最大35mm(前作は30mm)
  • ドロップは6mm(前作同様)
  • 「Pebax」配合の「Fuelcell フォーム」を全面搭載(前作同様)
  • エンジニアードメッシュアッパー(前作同様)
  • 重量は約220g(27cm, 前作は約200g)
  • カーボンプレートは非搭載(前作同様)
  • 定価16,940円(前作は16,500円)

スペック上の変更点はソールの厚みだけですが、サイズ感や走行感は前作(rebel v4)と大きく異なりました。詳細は下記をご覧ください。

サイズ感・履き心地

サイズ感は標準的に戻った

縦のサイズは標準〜僅かに小さめに感じました。前作は前足部が幅広の作りでしたが「rebel v5」は標準的な横幅でした。「rebel v5」は各サイズ横幅が2E(標準)とD(やや細め)の2種で展開されているため足幅に合わせて選ぶことが出来ます。

筆者は足幅がやや細身で、ナイキ、アディゼロ、歴代rebelシリーズは26.0cmで履いており、今回も26.0cmのDでぴったりでした。

甲と踵のフィット感が向上

アッパーの「エンジニアードメッシュ」は前作同様に適度な厚さと伸縮性でフィット感と追従性のバランスが良好でした。また、シュータンとヒールカウンターが肉厚になり快適性が向上しました。

特に、前作は踵がやや浅めでしたが「rebel v5」ではヒールカラーが高くなり踵のフィット感が改善されました。

走行感

クッション性も沈み込みも歴代最高

ミッドソールは前作と同じPeba/EVA製ですが、厚みが増えたことでフカフカしたクッション性・バウンド感は歴代最高でした。接地感が少ないため下り坂で体重を預けても衝撃を殆ど感じず、脚のダメージも少なかったです。

反対に沈み込みも歴代最大でコーナーやUターンの際に横ブレを感じました。ここまでソールが柔らかくなるとプレートを入れるか厚みを下げて軽量化しても良いかなと感じました。

バウンドを待って跳ねた方が走りやすかったためストライド走法寄りのランナーにオススメです。

グリップは良好

アウトソールラバーは前作同様に十分なグリップ力です。厚みも十分で耐久性がありそうです。アウトソールパターンは前々作(rebel v3)に近く中足部が剥き出しの設計になっています。

ミッドソールが厚く柔らかいため足裏から遠い所でワンテンポ遅れてグリップする独特な接地感でした。25km程度走った時点で中足部のミッドソールが少し削れましたが、ある程度削れた方が人それぞれの走り方に馴染んでくるように感じました。

競合モデルよりもクッション性重視

「rebel v5」にはプレートは搭載されておらず屈曲性が高いです。そのためプレートが搭載された「マジックスピード」や「ズームフライ」と比べるとオートマチックな推進力・ライド感は控えめですが、ペースが落ちたり接地時間が伸びても脚へのダメージが抑えられるためクッション性重視のランナーにオススメです。

ロッカーは広く緩い形状で自然に転がってくれます。競合モデルでは「アディゼロEvo SL」に近い設計ですが「rebel v5」の方がリラックスしたリズムで楽に走れました。

 

中級者(サブ4狙い)以上にオススメ

柔らかい厚底ミッドソールにより安定性は高くないため筋力に不安のある初心者だと扱い難いと考えます。また接地感が少く間違ったフォームでも走り続けられてしまうため、最終的に関節を痛めるリスクがあると考えます。

フルマラソン完走は当然レベルのランナーにとっては、軽量性とクッション性の高さから練習からレースまで広く使いやすいと考えます。ペース帯としてはキロ5分半~4分半(サブ4以上)のペースで最も軽快に走れました。キロ6分台のペースだと反発を抑えながら走る感覚がありサポートモデルのFuelcell Propel」や「Freshfoam 1080」の方が足に優しいと考えます。キロ4分半より速いペース帯も十分対応出来ましたが、レース用としては助力の強い「Fuelcell SC Elite」を選びたいです。

総じて、レース用ならサブ4狙い~3.5練習用ならEペース走〜スピード走まで広くオススメです。特にクッション性が高いためスピードの底上げよりも後半の足持ちを重視するランナーにオススメです。

まとめ

  • 前作よりソールが厚底でクッション性向上
  • 接地感が減り沈み込みも増加
  • 競合モデルより助力は控えめだが脚持ちが良い
  • サイズ感は標準的に戻り、フィット感は向上
  • ストライド走法寄りのランナーにオススメ
  • サブ4狙い〜3.5のレース用、練習用にオススメ
  • レース後半の脚持ちを重視するランナーにオススメ

コメント

  1. アラ4ランナー より:

    以前レベルv4がサブ4レース勝負シューズになり得るか、コメント欄に投稿させて頂いた者です。残念ながら昨シーズンは僅かに届かなかったので、今シーズンこそは達成したいと練習を重ねております。先日、ボストン13を購入して使用しています。シューズからも助力が得られて、テンポ良く走れる感覚があります。レベルv4も気に入っていて、新作も凄く気になるのですが、後半まで足持ちを考えたらv5よりボストンの方が優れているでしょうか?人により走り方が違うので一概には言えないかと思いますが、サイト主様のご意見を頂けたら有り難いです。よろしくお願いいたします。(ちなみに、ボストンの唯一気になる点は、足首周りが僅かに弛む感じがあり、紐穴を全て使えばフィットして気にならなくなりますが、紐がギリギリになります…)

    • ちょこざい ちょこざい より:

      コメントありがとうございます。昨シーズン惜しかったですね。
      ボストン13とレベルv5でシューズの優劣は無いと感じますが、脚持ちの質に違いがあると考えます。
      個人的には重量とクッション性に優れるレベルv5の方が脚が売り切れるのを遅らせられ、反対にボストン13は踵の安定性、サポートが高く脚が売り切れた時の失速の幅を少なくできると考えます。
      そのため、終盤に一気に失速する場合は失速を遅らせられるレベルv5後半からダラダラ失速する場合はボストン13の方がマッチすると考えます。
      レベルv5はv4とボストン13よりも柔らかいため、後半の失速パターンとソールの柔らかさの好みで選ぶと良いかと考えます。
      なお、筆者もボストン13の足首周りが気になり靴紐ギリギリで使っていますが、ペース走で一度も解けた事はなかったためレースでも大丈夫かと思います。 

      個人的な感想で恐縮ですがシューズ選びの参考になれば幸いです。今年は暑い時期が長いですが目標を目指して頑張っていきましょう!

      • アラ4ランナー より:

        凄く丁寧な説明ありがとうございます!大変参考になりました。実力の無さから、カーボンシューズ程ではないにしろ、シューズからの助力に頼りたいので(笑)ボストンの熟練度を上げたいと思います。いつかはカーボンシューズも扱えるように鍛錬します。
        ご回答ありがとうございました。

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