厚底カーボンシューズ「Fuelcell RC elite」に秘められたテクノロジー

ランニング

こんにちは!マラソン界は空前の厚底ブームで、マラソン大会や駅伝でも優勝や区間賞を獲得した選手のほとんどが厚底カーボンプレート入りのシューズを着用している時代となりました。

また、ナイキを筆頭に各メーカーから厚底のカーボンプレート入りのレーシングシューズが発売されています。

今回はニューバランスのカーボンプレートを搭載した厚底レーシングシューズの「Fuelcell RC elite」を紹介していきます。

「Fuelcell RC elite」のターゲットは?

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image by New Balance

「Fuelcell RC elite」はフルマラソン向けに設計されたレース用シューズで、タイムを求めるエリートランナーや競技者ランナーをターゲットとしています。ナイキのヴェイパーフライNext%やアディダスのアディオスプロがライバルといったところです。

実績としては神野大地選手が「Fuelcell RC elite」を履いて「第17回アジアマラソン選手権大会」で優勝しました

その他のカーボンプレートが搭載されたモデルのラインナップとしては、中長距離トラックレース向けの「Fuelcell  5280」、トレーニングモデルの「Fuelcell  TC」があります。

「Fuelcell RC elite」に搭載されたテクノロジー

カーボンプレートをフルレングスで搭載!

カーボン系素材は屈曲性がありながらも復元性(反発性)、振動減衰特性(安定性)に優れているため、近年よりシューズのソール素材として開発が進められています。

「Fuelcell RC elite」にはこのカーボンプレートがソール全面に搭載されています

高反発素材「Fuelcellフォーム」をフルレングスで使用

ミッドソールには軽量かつ高反発な独自素材「Fuelcellフォーム」が全面に使用されています。

ソールが軽量であるため厚底にしてもシューズを重くすることなくクッション性を高めることができ、反発性もあるためスピードを出すこともできます。

他メーカーのシューズも同様の設計が多いためセオリーな設計ということでしょうか。

アッパーに2層の「2LAYER MESH」を採用

網目状に薄い素材が使われていて光が透けて見えます

2層のアッパーにより通気性とフィット性の両立を図っています。

アッパーは通気性を重視して薄くするとホールド感やフィット感が悪くなりやすく、厚手にするとフィット感が良くなる反面、通気性が悪くなってしまいます。

「2LAYER MESH」は通気性の良い薄手の素材とフィット感を良い厚手の素材を網目状に組み合わせることでこれらを両立しています。

 

26cmで実測190gと超軽量!

厚底でクッション性があり、アッパーもフィット感があるのに重量が190g(26.0cm)と超軽量です。

メーカーから説明されている通り「Fuelcellフォーム」が軽量であることが寄与していると考えられます。ナイキのヴェイパーフライNext%(184g)やアルファフライNext%(203g)と同水準であり、フルマラソン向けのシューズとしては最軽量のクラスです。

アウトソールにイボイボ「DYNARIDE」を採用

「Fuelcell RC elite」のアウトソールには三角形のイボイボ「DYNARIDE(ダイナライド)」が付いています。スパイクのようにイボイボが地面に噛みつくことで高いグリップ性と加速性を発揮します。

イボイボはグリップが高い反面、シューズを回転させる際に抵抗になりやすいため、長距離を淡々と走るマラソンにおいてはシューズのアウトソールはフラットなものが主流です。そのため「Fuelcell RC elite」は近年のマラソンシューズでは珍しいタイプのアウトソールだと言えます。またラバーの面積が減るのでシューズの軽量化にも寄与していると考えます。

スペックに書かれていない「Fuelcell RC elite」の特徴

蹴り込めるけど転がすこともできる「絶妙なロッカー構造」

緩いロッカー構造により踵に加重すると中足部から前足部が少しだけ浮きます。

前足部に加重すると、母指球付近は接地しながら踵~中足部が浮きます。

シューズの底が微妙に丸身を持っていて転がる形状になっています。

ここでは「微妙に」であることがポイントで、シューズの回転性は出しつつ踏み込んでスピードを出すことができる絶妙なバランスとなっています。

ロッカー(丸みを帯びた)構造の特徴として、シューズが前に転がる性質が強いため足を置くだけでスムーズに重心を前に送ることができます。一方で、自ら踏み込んで反発を使う走り方では反発を貰い難くなるデメリットがあります。

これに対し「Fuelcell RC elite」は両者の中間の特性を持った構造であるため、重心移動でも反発でもスピードを出すことができる=ピッチ走法、ストライド走法のどちらにもフィットすると考えます。

ロッカー要素の強いモデルとしては、アシックスのメタレーサー、HOKA ONE ONEのカーボンXがあり、反発要素の強いモデルとしてはナイキのアルファフライ、アディダスのアディゼロタクミセン、ミズノのウェーブデュエルなどがあります。

ソールの前足~中足部の外側に広くて安定感が良い

(左)Fuelcell revel、(右)Fuelcell RC elite、小指球付近のソールが外側に広がっています。

シューズを上から見ると前足~中足部のソールが外側に広がっていることが分かります。

ランニング時の接地の流れとしては、小指(小指球)側から接地して親指(母指球)側に抜けていくと言われています。同じ形状の「Fuelcell revel」でも小指球の外側にもソールがあることで接地時の安定性が良かったため、こちらも同じ恩恵を得られると考えます。

非カーボンシューズですが「Fuelcell revel」もかなり良いシューズなので良かったらご覧ください

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イボイボが中足部外側まで伸びていてグリップが高い

通常、イボイボは前足部のみに付いていますが、「Fuelcell RC elite」では中足部の外側までイボイボが付いています。そのためミッドフットでも高いグリップと加速性を得ることができると思われます。

 

以上がスペックから見た「Fuelcell RC elite」の凄さと特徴でした。

実際に走行感については今後レビューしていきます。

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